ピアノのレッスンの形態は、主にグループレッスンと個別レッスンの2つに分けられます。皆さんは、既に、雑誌やネットなどの記事で、それぞれの特徴を知っているかもしれません。でも、両方の指導経験があるピアノ教師からの視点も、参考になるのではと思い、比較の記事を書いてみました。それぞれのメリットとデメリットを、客観的に挙げています。
グループレッスンのメリットは、お友達が出来ることです。1人で入ったとしても、レッスンで毎週会う度に親近感が生まれ、仲良くなります。みんなで歌ったり、アンサンブル演奏していくことにより、協調性を養うことが出来ます。また、子どもは、案外競争が好きです。人より出来ると自信が付き、リーダー性を発揮していく子もいます。好きな友達がいるからという理由で、楽しく通い続けるお子さんもいます。大手の音楽教室では、事前研修がありマニュアル化されているため、先生による指導法の差が少ないのが特徴です。発表会でのメリットとしては、グループ演奏なので個人のミスが目立ちにくいことです。みんなで同じ曲を演奏するのは楽しく、緊張感は少ないです。
デメリットは、コースがカリキュラムに沿っているため、能力に関係無く全員が同じペースで進む点です。グループレッスンでは、どんなに先生が頑張っても、個人のレベルの差が生まれてしまうのが実情です。教材は普通のお子さんに合わせているため、飲み込みが早いお子さんには物足りなく感じるかもしれません。遅れがちなお子さんの場合には、みんなに付いていくのが大変で、お母様もイライラしてしまうこともあります。また、グループレッスンでは、教える際に、指のフォームや指使い、姿勢など、細かい所まで手が回りません。使用楽器は、スペース確保のため電子ピアノか電子オルガンです。本物のピアノとはタッチが違います。また、保護者や他の習い事の都合などで曜日や時間を変更した場合には、先生やグループのメンバーも変わります。発表会ではグループで演奏するため、個人の音があまり聴こえない点に物足りなさを感じる方もいます。
メリットは、進み方を生徒さんのペースに合わせられることです。個人レッスンなので、出来ない場所は、分かるまで教えてもらえます。レッスンの集中度も高くなります。グランドピアノでレッスンをしている教室が多いので、ピアノを弾くタッチの基礎が身に付きます。教材やレッスン内容も、お子さんの個性に合わせて柔軟な対応が出来ます。発表会では1人で弾くため、本人の弾く音がはっきり聴こえます。本番力を鍛えることが出来ます。
個人の教室は、大手の音楽教室と違い、先生によって教え方、レッスン内容、使用教材などが異なります。また、一対一のレッスンは、先生と相性が合わない場合には辛くなってしまうこともあります。また、グループレッスンでの競争心や優越感などは、個人レッスンでは持つことが出来ません。お友達と同じ教室に通っていても、レッスン曜日や時間が違うので、会うのは発表会の時くらいになります。なお、発表会ではソロで弾くため、プレッシャーを感じてしまうお子さんもいます。(それも良い経験ですが。)
はっきり言って、習い事は、ある程度の期間経験してみなければ、本当に合うのかどうか分からないものです。個人の性格、学ぶスピード、親御さんの習わせたい目的も様々で、どちらが向いているかも一概に言えません。団体行動に慣れさせたい、また人と同じことがやりたいタイプなら、グループレッスンが向いています。もし、途中でレッスンが物足りなくなったり、付いていくのが大変になったら、個人レッスンへの変え時です。ただし、グループレッスンの期間が長い場合、ピアノの音をしっかり鳴らせないお子さんが多いです。特に、鍵盤が軽い電子オルガンでグループレッスンを受けていた場合、ピアノで弾く時に強弱が付けられません。スポーツと同じで、高いレベルを目指す場合には、フォームやタッチの悪さを直すのには時間が掛かります。個性的でマイペースなお子さんや、基本を重視する場合は、初めから個人レッスンがいいでしょう。ちなみに、私は、合わない先生で苦労した経験があります。ストレスは、音楽表現でもマイナスに働きます。お子さんと先生が合わない場合は、思い切って教室を変えましょう。 ミント音楽教室
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