「子どもが家で練習しません。」
これは、ピアノに限らず、習い事をしている子どもを持つママ達共通の悩みだと思います。
自ら練習するタイプも1割程いますが、残り9割は、そうではありません。
私は、生徒さんとお母さんに「毎日コツコツ練習すると上達します。」と言っていますが、なかなか難しいようです。
「ピアノは好きだけど練習がイヤ」というタイプなら、習慣化させればいいので、お母さんの腕の見せ所です。
それでは、お子さんにピアノ練習させるための具体的な方法をお話します。
青山学院陸上部顧問の原監督にあやかって、○○大作戦と名付けています。
※この方法は、4才から小学校低学年向けです。
「子どもをほめて伸ばそう!」
この言葉は、教育界でも、よく聞くフレーズです。
しかし、案外難しいものです。ほめたとしても、子どもは本能で、その言葉が本当かどうか分かってしまうからです。
だから、具体的にほめる方が効果があります。本当に良い所を見つけるのです。
たとえば、「最後の音がカッコ良かった!」とか、小鳥の曲だったら「本当の小鳥みたい!」などです。
あとは、お気に入りのぬいぐるみなどを使い、しゃべらせることです。声色を変えてオーバーに面白く伝えましょう!
ぬいぐるみの手足を動かして「すごいねー。ビックリ!ヒューヒュー!」こんな感じです。(演出も大事です。)
子ども達は、シールが大好きです。
練習出来た日には、カレンダーや楽譜の端などにシールを貼ってあげましょう。
小さいお子さんは、数の概念がありませんが、たくさんのシールを見ることで達成感を覚えるものです。
自分が頑張った証が、シールの数なのです。それは、自己肯定感や自信に繋がります。
これは、私の友人の話です。友人は、小さい頃、遠くの先生の家までピアノを習いに行っていたそうです。
毎回レッスンが終わった帰りに、お母さんと妹と3人で、アイスクリームを食べるのが楽しみだったそうです。
「ピアノが好きじゃなくてアイスクリームが好きなのに、ピアノが好きと勘違いしちゃった。」のだそうです。
笑ってしまいますが、それがきっかけで上達する子もいるのです。おやつが効果的なタイプもいるのです。
余談ですが、脳の疲れを補うために、レッスン後は少量でいいので何か甘いものを取らせて下さい。
先生ごっことは、お子さんがピアノの先生になって、生徒役の保護者に教える遊びです。
あくまでも、遊びの延長で、ゆるく楽しくやりましょう。
生徒役のお母さん(又はお父さん)は、出来ないふりをして、ピアノを弾きましょう。本当に弾けないなら、好都合です。
お子さんは、色々覚えているので、意外としっかり教えてくれます。教えることで、本人の復習にもなります。
この言葉は、サッカーファンにはお馴染みの漫画『キャプテン翼』で使われるフレーズのパクりです。
主人公の翼は、ボールをいつも自分の傍らに置いて生活をしています。翼君のセリフ「ボールは友達」は有名です。
さすがに、ピアノと一緒に寝るのは無理ですが、ピアノと友達になりましょう。一緒にいる時間を増やすのです。
世界を飛び回るジャズピアニストの上原ひろみさんは、各地のグランドピアノと会話をするそうです。(!)
練習しない時は、「ピアノさん、寂しがってるよ。弾いてあげよう。」と声をかけましょう。
以前、出張レッスンをしていた時の話です。(現在は自宅レッスンのみです。)
ピアノが大好きになった生徒さん(兄弟)がいて、電子ピアノからアップライトピアノに買い替えました。
なんと、親御さんは、そのついでに一室を音楽ルームにリフォームしたのです!
お父さんも音楽好きなので、ピアノの部屋は、ステレオやソファーなどインテリアまで揃った素敵な空間になりました。
すると、家族もくつろげる憩いの部屋になっただけでなく、生徒さん達のピアノを弾く時間が増えたそうです。
リフォームするのは簡単に真似出来ませんが、ピアノの周りの空間を少しだけ素敵に楽しく演出してみましょう。
私達が、素敵なカフェで飲むコーヒーの方が美味しく感じ、長く居たいと感じるのと同じです。
お子さんの好きな物を置くとかで構わないので、ピアノの周りを居心地の良いスペースにすると良いでしょう。
私も子どもがいますが、振り返ると、8才位までが、育児が特に疲れる時期だったと感じます。
上に兄弟がいると、習い事、スポ少、子ども会、下に兄弟がいる場合は、病院にも頻繁に行き、ゆとりがありません。
また、働いているお母さんは、夕方から夜は特に忙しいです。ピアノの練習まで手が回らないのは分かります。
でも、よく考えれば、しんどい期間は習い始めの1、2年程で、期間限定です。しかも、毎日20分程度の時間なのです。
練習が習慣化すれば、自分の力で出来るようになるので、むしろあとがラクなのです。切り替えが上手な子になります。
ピアノが弾けるようになって、テストの点も上がる可能性もあるなら、その方がむしろ効率的だと思いませんか?
注意する点は、お母さんが「練習しなさい!」と極端にイライラすると、子どもにストレスを与えてしまうことです。
「ママのイライラする原因はピアノ」と潜在意識にネガティブなイメージを植え付けてしまい、本末転倒になります。
だから、しんどい時は「練習しなくても気にしない」と思いましょう。余力がある時に、聴いてあげればいいのです。
生徒さん達を見ていると、レベルに関わらず1人残らず真剣にレッスンを受けています。みんな本当に頑張っています。
だから、「週一回でも本気で集中した経験は無駄にならない。」と考えて、お子さんを見守って頂けたら、と思います。
一見、相反する2つのアドバイスですが、シーソーのように行ったり来たりしながら上手くバランスを取って下さい。
ミント音楽教室
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