イメージ写真です。 色々な駅ピアノがあります。
お友達が、ピアノに関する面白い番組があるからと、NHKのBSで放送されている『駅ピアノ』を教えてくれました。一見、地味な番組です。駅を行き交う人達の様子、電車、街の風景などが淡々と映し出され、旅番組のようです。そして、駅ピアノに定点カメラを設置し、ピアノを弾く人達を、次々と撮影していきます。ナレーションも全くありません。その人の国籍、職業、曲名、エピソードなどの情報は全て字幕で表示され、演奏のあとに本人がコメントをしています。今回は、ダブリン編について紹介します。アイルランドの首都ダブリンのコノリー駅のピアノを撮影したものです。まず、置かれたピアノに驚きます。ピンクとオレンジをベースに沢山のイラストが書かれたピアノだからです。地元のアーティストがペイントしたというピアノは、子どものオモチャのようなポップな色合いで、構内で目立ちます。実際に、子ども達にも人気だそうです。見るからに楽しげなピアノは、近付きやすいカジュアルな雰囲気です。この駅にピアノを置くことを発案した、調律師ジョン・マーフィーさんの言葉を紹介します。「通勤中の人達は心のゆとりがない。ピアノを置くことで心の壁を取り払い、人と人が交流する場所にしたかった」確かに、駅は目的地への通過点にすぎません。大勢の人達は挨拶も交わさず、自分の行く方向だけ見て移動する味気ない場所です。番組では、一通行人に過ぎない普段着の人達が、ピアノに吸い寄せられるように近付いていくシーンから始まります。荷物を降ろして椅子に座り、ピアノを弾き始めます。音楽のジャンルやレベルも様々で、即興演奏や弾き語りもあります。共通するのは、最初は無表情なのに、ピアノを弾き始めると、表情がだんだん和らいで、魅力的に見えてくる点です。演奏が完璧ではなくても、ピアノが好きで楽しんでいる様子が、表情や音から伝わってきます。しかも、誰もが表現力があり、まるで自宅で弾いているかのような自然さです。中でも印象に残ったのは、弾き語りをしたシステムエンジニア男性の話です。恋人が好きな曲の歌詞を変えて、ピアノを弾きながら、歌でプロポーズしたそうです。歌詞は、こんな感じです。 We've met 2002. Since I'm in love with you. I can't live my life without you. Amy, why I action I have a question. Will you marry me ? Marry me ! 聴いていた彼女は、ボロボロ泣いてしまったそうです。(答えはもちろん、Yesです!)好きな相手からピアノの弾き語りでプロポーズされたら、誰でも感動してしまうでしょう。駅ピアノを弾く人それぞれが、自分だけの音楽の世界を持っています。そして、弾き終わると、誰もが笑顔を見せます。演奏に足を止めた人が拍手をしたり、話し掛けたり、一緒に弾いてみたり、ピアノがきっかけで交流が生まれます。ふと、自分だったら何の曲を弾こうかな?と考えました。ダブリンはアイルランドなので、『ユーレイズミーアップ ( you raise me up )』の弾き語りをしたいです。そして、途中から周りの人達も一緒に歌ってくれたら最高です。(妄想だけが膨らみます。)コミュニケーションツールにもなる駅ピアノが、世界各地でどんどん増えて、音楽の輪が広がっていくといいですね。※追記残念ながら、コロナウィルスの影響で、現在では各地の駅ピアノが使用禁止になっているそうです。皆がマスクをかけて、人を避けるように歩く様子は殺伐としています。ピアノを見かけたら、自然にピアノの前に座って楽しく弾けるような世の中に、1日も早く戻ることを願っています。 ミント音楽教室
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