私の友達のバイオリニストが、森昌子さんの全国コンサートツアーにバックバンドとして同行しています。水戸市のヒロサワシティホール(県民文化センター)で森昌子さんのコンサートに友達の応援を兼ねて行きました。友達のバイオリンの演奏も素敵でしたが、今回は、森昌子さんコンサートの感想をお伝えします。森昌子さんは、今年で歌手活動を引退することもあり、コンサートは満員でした。一部のコントでは、ラーメン屋さんの前で、赤いランドセル姿のまーちゃんとお父さんのやり取りです。森昌子の姪(?)のまーちゃんは、観客をご近所さんと呼び、「今日はババアが多いな」とか言いたい放題です。客席に向かっても突っ込みを入れるので、笑い声が絶えず、まるで吉本の芸人さんのようです。コントはセリフを覚えなきゃいけないし、掛け合いのタイミングが難しいはずなのに、自然にやっています。さらに、声真似もソックリです。次から次へと色々な人の声を真似していきます。しかも、八代亜紀のように声質の違う歌手まで真似出来るのは驚きでした。また、昭和の歌謡曲(他の歌手の曲)を色々歌うのですが、驚くことに、どの曲も元の歌手より上手いのです。ONE OK ROCKのボーカルTakaは、森昌子さんの息子で歌唱力もリズム感も超一流ですが、さすが彼の母親です。カバー曲はオリジナルより残念な感じになることが多いのですが、森昌子さんが歌うと、曲がより引き立ちます。二部に入ると、森昌子さんは自身の曲を歌っていきました。衣装も、最初はセーラー服(!)、豪華な振り袖、ドレスと何回も着替えて、見た目も華やかです。一番感動したのは、『越冬つばめ』です。♪ヒュールリ~ヒュールリ~ララ~では、情景が見えるようでした。それにしても、、、、森昌子さんの声は伸びます。グーンと、どこまでもどこまでも伸びます。普通の歌手の倍はロングトーンが出せるくらいの声の余裕がある感じで、ラクに発声しています。私はオペラも好きなのですが、声の器が大きいので「オペラ歌手みたい!」と思いました。合間に、隣の席の方とお話をしていると、その方はプロのオーケストラの元コンサートマスターでした。様々な楽器奏者の中で、音程に対して一番厳しい耳を持つのはバイオリニストです。森昌子のファンだそうで、「バイオリニストの鋭い耳まで魅了してしまうなんてすごい」と思いました。ところで、女性は50代からホルモンの減少に伴い、高い音が出なくなり声の音域が下がる傾向にあります。歌番組で、見た目は若いベテラン歌手の生歌を聴いて、「あれ?声が劣化してる」と残念に思うこともあります。しかし、61才の森昌子さんの声は、潤いのある豊かな声で、劣化どころか進化していました。きっと、私達の見えないところで、とても努力をされている方なのだと思います。『体調管理も一流』なのでしょう。歌が上手で、コント、声真似、トークなど様々な才能があるので、引退なんてもったいない気もします。でも、素晴らしい歌をお客様に聴かせて歌手を辞めるのも『有終の美を飾る』という彼女の美学なのでしょう。 ミント音楽教室
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