秋は、発表会、合唱コンクール、ピアノコンクール、保育系の実技試験や教員採用試験の実技などが多いです。私は普段の指導は優しいです(?)が、イベントや試験へ向けてのレッスンは、厳しくなります。なぜなら、目標に向けて頑張り、人前できちんと弾ける達成感や自信を味わって欲しいからです。しかし、本番は誰でも緊張します。「練習では良く弾けていたのに、どうして?」ということも起こります。でも、そんな時「私は本番に弱いんだ」と落ち込まないで下さい。単に、本番への準備不足かもしれません。そこで、本番で崩れないための準備の仕方を紹介します。
体調と心を整えるために必要なことです。食事や睡眠を十分取りましょう。体調が悪いと、練習する気力も集中力も落ち、気持ちもネガティブになります。ピアノは、見た目より脳や身体を消耗させるので、健康であることが必要です。免疫力も高めておきましょう。
毎日の練習が理想です。音楽を身体に定着させるためには、部活の練習のように朝晩やると更にいいです。早起きして練習するのも効果的です。頭も身体も起きていない朝でも、きちんと弾けたなら、本番は9割方大丈夫です。また、他の事をやっている隙間時間に、いきなり弾くのもオススメです。集中力の訓練になります。練習だと無意識的に手抜きしてしまうものなので、練習時も「これは本番だ」と思って毎回真剣に弾くことが大切です。
ピアノは持ち歩きが出来ないので、会場にあるピアノを弾かなければなりません。ピアノは、メーカーの違いや型式でも、タッチや響きが異なります。タッチが違うと動揺してしまいます。学校のピアノ、楽器店のピアノ、ホールのグランドピアノの一般解放など、色々なピアノを弾いておきましょう。
制服なら問題ありませんが、それ以外は必ず本番の服を着て弾いてみましょう。服と気持ちが馴染むよう、しばらく着ていたり、他の日にも着てみましょう。靴もヒールがあるとペダルが踏みにくくなり、本番で気になったりするので、履いて弾く練習をしましょう。
曲のイメージトレーニングをすることは、大事なことです。特に、お風呂や寝る前などリラックスした時間帯が効果的です。鼻歌で歌う、頭の中でメロディーを鳴らす、エアピアノを弾く、曲の情景をイメージしましょう。ピアノが無い気楽さの中で、自由に気持ちを遊ばせましょう!「楽しい気持ちで」がポイントです。イメージトレーニングは、表現力を付けるだけでなく、本番への緊張感を緩和するので、一石二鳥です。
緊張すると、首や肩、背中周りなどの筋肉が固くなり、可動域が狭くなり、その結果、指の動きも悪くなります。また、指先が冷たくなって弾きにくくなってしまう人もいます。緊張により血流が悪くなるからです。血行促進のためにも、普段からスポーツやストレッチなどを習慣にするのも、とても良い事です。もし、本番前に身体が固くなってしまったら、軽く身体を揺らしたり、ストレッチをして身体をほぐしましょう。
録音を聴くと、自分が思っているより音楽の表現の幅が小さいのを自覚する人が多いでしょう。本番では、緊張のため表現が小さくなりがちなので、強弱やリズムなどの音楽表現を大きくしておきましょう。ただし、本番間近に録音や録画をすると演奏に迷いが出るので、本番一週間前までにしておくことです。
毎日の練習をしつつ、1日のうちのわずかな時間でいいので、必ずリラックスの時間を意識的に作って下さい。好きなDVDを観る、好きな音楽を聴く、本やマンガを読むなど、何でも構いません。心をゆるませましょう。早い時期から緊張すると、睡眠の質が悪くなり身体の不調に繋がります。メンタルを整えるのは大事なことです。
前の日になって、不安から沢山練習し過ぎて指や腕が疲れて、本番に動きが悪くなってしまうケースもあります。身体だけでなく気持ちも疲れてしまうので、前日の練習時間は控えめに、せめて同程度にしましょう。
まず、ゆっくり深呼吸をして下さい。あわてて弾き始めないようにしましょう。曲の世界に自分が入っていくイメージを持ち、「客席の人達は自分の味方」と思いましょう。本番は怖いですが、命までは取られませんから、大丈夫です!「今から、脳からアドレナリンが出ている状態を体験してみよう!」と自分にポジティブな暗示をかけて下さい。
ディズニーの『ダンボ』にとっての羽のように、お守りが効くタイプの人もいます。(この方法は、個人差があります。)本番に、お気に入りの物を身に付けたり、ポケットに忍ばせるのもいいでしょう。心に安心感をもたらすという点では、効果的な方法です。
気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方法がアスリートの調整の仕方と同じです。アスリートも、試合で毎回結果が出せるとは限りません。でも目標に向けて最大限の努力をしています。結果はどうであれ、本番に向けて努力を積み重ねていくことが一番大事で、そのプロセスが人を成長させます。もし、失敗したとしても『失敗は経験という財産』で『チャレンジした人だけが得られる勲章』なのです。その経験は、ピアノだけでなく、試合、受験、他の分野へのチャレンジにも、必ず生かされます。では、本番に向けて頑張って下さいね。コツは、丁寧に準備することですよ♪ ミント音楽教室
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