コメント欄に、Mさんからお悩みが届きました。連絡先が分からないためにブログ上で回答させて頂きます。
世の中には、同じように思っている人がたくさんいると感じています。個人的な意見としてお読み下さい。
【質問】
初めまして、ブログのエッセイを読んでピアノに興味があります。子供の頃、習いたかったのですが、親が勉強の方が大事だからといって友達が上手にピアノ弾いているのを見て自分も弾けるようになりたいから習いたいと言うと、拒否されました。大人から習いはじめましたが、ショパンとドビュッシーの曲が弾けるようになりたいですが、一生無理ですか?
【答え①ピアノは山登りと同じ】
初心者がショパンなどを弾くまでの道のりは、家でゴロゴロしていた人が険しい山にチャレンジする過程に似ています。
険しい山を目標にするなら、まず散歩から始め、徐々に歩く距離を長くして、低い山から登山するのが自然な流れです。
幾つもの山で様々な経験を重ねて、体力作りも意識的に心掛け、相当な準備をした上で険しい山に挑むことでしょう。
ピアノも同じです。易しい曲から徐々に段階を踏みながら学んでいく方が、指、脳、身体への負担が少ないのです。
リズム感、音楽的な聴覚、指の運動神経などは、時間をかけて緩やかに成長するものだと心に留めておいて下さい。
短期間で無理に頑張ろうとすると、非音楽的な演奏になったり、不自然なフォームから腱鞘炎になる可能性もあります。
大作曲家の世界観を音楽的に表現するためにも、基礎をきちんと積み重ねて、まずは中級レベルを目指しましょう。
【答え②理解のある先生を探そう!】
中級レベルになっても、真面目で厳しい先生だと、「あなたには、まだ早い!」と言われてしまうこともあります。
私も、大人の生徒さんに相談され、「難しいので、仕上がりまで2年くらいかかりますよ。」と正直に伝えたことがあります。
「それでも構いません。」とのことで、一回に4小節とか細切れで練習して、2年後に弾けるようになりました。
レベルの高い曲だと、和音が多かったり動きも速く、1フレーズさえ弾けないため、最初の段階から挫折しやすいです。
何度やっても出来ないようなレベルにチャレンジすることは、決して楽しいとは言えず、効率的でもありません。
気が長い人で、曲に対する情熱が強く、努力家でないと、レッスンを続けることが難しいかもしれません。
指導側にも、具体的な説明や練習の工夫が必要になり、心理的サポートも含めた高いコーチング技術が求められます。
生徒さんの気持ちを理解出来て、励まし上手で忍耐強くレッスンしてくれるような先生を探してみましょう。
【答え③実は近道もある?】
ショパンやドビュッシーの原曲の楽譜通りに弾くことは、確かに難しいです。
でも、最近では、プリント楽譜など易しいアレンジの楽譜が結構あります。
初級向けのアレンジ楽譜を使うなら、比較的短期間で一曲を仕上げられるはずです。
もちろん、和音が短音になったり、左手の伴奏がシンプルになり、元の楽譜に比べると物足りない感じになります。
しかし、憧れの曲の雰囲気を直に感じられ、そのメロディーを自分で奏でることは、大きな喜びにつながるはずです。
【まとめ】
一生弾けないかどうかは、やってみなければ分かりません。大人から始めても、弾けるようになった方も実際にいます。
諦めないでコツコツ努力を重ねていくことで、可能性が上がります。『プロセスを楽しみながら気長に』がコツです♪
【補足】
Mさんのケースに限らず、保護者の方がピアノより勉強が大事と考えることは、一般的な傾向です。子どもへの親心です。
それは、多くの人はピアノを長く習うことで得られる様々なメリットを知らないからです。
でも、過去に猛勉強したことがあるなら、計画性、努力、モチベーションの保ち方などの経験をピアノに生かせます!
習い事は、やってみないと分かりません。合わなかったら、そこで諦めるか違う道を探せば良いのです。
Mさん、まず思いきって第一歩を踏み出してみましょう♪
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