ピアノの体験レッスンの時に、お母様が下のお子さんを連れてきて一緒に見学することは、よくある風景だ。
でも、10年くらい前から、両親揃って体験レッスンを見学するケースも、ちらほら見られるようになった。
男性の視点からレッスンを見られるという意味では、少し緊張する。
基本的に、ピアノの先生はお母様を想定して応対することが多いため、男性目線で考えるのは不得手な傾向にある。
ある日、体験レッスンがあった。両親が見守る中、生徒さんのレッスンが始まった。
その間中、お母様はニコニコ見ているものの、お父様はというと、何やら真剣な顔をしている。
どんな風に感じているのだろうか?表情からは何も読み取れない。
その後、その生徒さんは入会を決めてくれた。
でも、その生徒さんの自宅から当教室は結構距離がある。来る途中に幾つものピアノ教室があるのに通ってくれている。
「なぜだろう?」と、ずっと疑問に思っていたが、入ってすぐには聞きづらい。
3ヶ月くらいしてから、ようやくお母様に聞いてみた。「遠いのに、どうしてこの教室に決めてくれたのですか?」
すると、「実は夫が決めたんです。」と言う。
それを聞いて私は驚いた。体験レッスンの様子では、そんな風に見えなかった。理由が全く見当が付かなかった。
「夫は、すごくキレイ好きなんです。他の所はごちゃごちゃしている感じだったので、、。だから、ここが良いと。」
体験レッスンでのお父様の真剣な眼差しは、教室の整理整頓や掃除などの衛生面を確認するためだったのかもしれない。
それを聞いて、教室を選ぶ理由や決め手は人それぞれ全く違っているのだな、と改めて感じた。
※たまに、忙しくて掃除が若干手抜きになる時もあります。何卒ご了承下さい。
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