先週、確定申告を済ませた。毎年のことだが、その準備作業には時間がかかる。正直に言って、あまり楽しくない。
ピアノの先生は、明らかに確定申告が苦手な人が多い。そのせいか、確定申告を全くしていない人も少なくない。
ピアノの先生の集まりで、情報を得ようと「確定申告どうしてる?」と気軽に聞いた時、誰もしていなくて驚いたことがある。
『確定申告』という言葉は、禁句だったのかもしれない、と場の雰囲気から感じた。
ピアノの先生が確定申告をしなかったり、苦手に感じてしまう理由を、6つのタイプ別に分けてみた。
【①収入が少ないタイプ】
そもそも、生徒が数人しかいないので、収入が少ない。(もちろん、この場合は金額的に確定申告をする必要が無い。)
【②意識高い系自転車操業タイプ】
仕事熱心で、自己研鑽、広告、教室の環境整備などに経費がかかり過ぎ、結局利益が少なくなってしまう。そのため、「申告の必要は無いだろう。」と思い込んでいる。
【③数字や計算が苦手タイプ】
学生時代、数学が苦手で赤点ばかり。数字を見ただけで頭が痛くなる。家計簿はもちろん、お金の記帳の習慣がほとんど無い。
【④片付けが出来ないタイプ】
整理整頓が特に苦手なため、領収書やレシートもどこかに紛失してしまい、見付からない。元々メモする習慣も無い。記憶をたどれずに、申告書を前に途方に暮れる。
【⑤闇医者タイプ】
教室の看板もホームページも一切公表せずに、口コミのみで生徒を増やしている。金銭感覚は堅実。税務署にバレないか内心ヒヤヒヤしている。
【⑥マリーアントワネットタイプ】
「確定申告?私には難しすぎて、何のことだかサッパリ分からないわ。でも、ピアノが弾ければいいんじゃない?」と、社会常識から離れたお花畑の世界で生きている。
【まとめ】
この世には、確定申告が得意なピアノの先生は存在しない。
一般的な金銭感覚や事務能力が著しく欠如している人もいる。パソコン操作が苦手な人も多い傾向にある。
だから、本当は確定申告を税理士に丸投げしたいところだ。しかし、その費用も捻出出来ないのが現状である。
一応、確定申告の本を買って読んでみるが、専門用語はチンプンカンプンだ。
その段階であきらめてしまう人も多い。そして、来年こそは申告しようと思う。それを繰り返しているタイプもいる。
ちなみに、専門的なピアノの先生に師事する場合、そこに月謝袋や領収書のやり取りは一切存在しないことが多い。(!)
言い値のレッスン代(○万円)を、毎回綺麗な封筒に入れて先生に恭しく捧げる。お金に関する質問は、無礼だとみなされる。
そういうことが当たり前の環境でピアノを長年学んできたことも、確定申告と何かしらの関係があるようにも思える。
また、音楽系では発達障害の傾向がある人も存在する。その場合は、関係書類を紛失しがちである。ごく普通の管理が難しい。
いずれにせよ、音楽の特性(表現や想像力など)と対極にあるのが確定申告の手続きだ。苦手なのは、至極当然のことである。
【同業のピアノの先生達へ】
①のケースは確定申告が必要ありませんが、②は申告の義務違反、③④⑤は収入の金額によっては脱税に該当します。
ピアノの先生という職業は、残念なことに、お嬢さんのアルバイト、または主婦の小遣い稼ぎ、と世間から見られがちです。
レッスン以外の時間にも様々な努力をして準備に時間を割いているのに、なぜか「気楽でいいね。」と言われてしまいます。
でも、ご自身が今までピアノに費やした練習時間を計算してみて下さい。10,000時間を軽く超えていませんか?
ちなみに、司法試験に合格するまでの勉強時間の目安は8,000時間と言われます。
私達は、気の遠くなるほどの時間と多額の費用をかけてピアノを学び、それで得た経験や知識を使ってレッスンをしています。
プロとして仕事をしていることを社会的に証明するためにも、毎年きちんと確定申告を行いましょう。
一人一人がキチンと事業報告をしていくことで、ピアノの先生に対する社会的信用やイメージも徐々に変化させましょう!
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