保護者様へ
ピアノの発表会が無事に終わりました。お疲れ様でした。
レッスンの様子を見ていない保護者様のために、今回の発表会までのレッスン経過を大まかに説明します。
ピアノを初めて日が浅く、今回は発表会に参加出来なかった生徒さんの保護者様も、次回のために参考にして下さい。
発表会の曲は、半年前くらいから始まります。楽譜を見て、今までの曲との違いに戸惑うお子さんも多いです。
ワンランク上のレベルのため、どの生徒さんもスムーズには進めません。少しずつ弾き方を学んでいきます。
まるで、ジグソーパズルの最初みたいです。テンポも遅いため、生徒さんには曲の全体像が全く見えていません。
「こんな曲出来るかな?」「指が全然動かない!」「難しい!」と不安な顔を見せ、弱気になったりしていました。
その時期が過ぎて譜読みが終わると、音楽の景色が見えてきます。弾けてきて少し楽しくなる時期です。
ここからは、別の注意が必要です。得意な場所だけ速いテンポで暴走するため、曲全体のバランスが崩れてしまいます。
そんな時は、手拍子やメトロノームを使って同じ速さで弾ける訓練をします。手でリズムを叩かせることもあります。
それ以外に、曲のメリハリ(強弱)も意識させます。違う力加減で弾き分けることは、想像以上に難しいことです。
歌う曲の場合は、私がピアノを弾き、メロディーを歌う練習をします。呼吸を感じることで、自然な流れが生まれます。
ほかにも、曲について話し合ったり、曲の背景も説明して、どんなイメージかを本人に意識させていきます。
最終段階では、暗譜で弾けるように記憶の訓練をします。最初は、止まったり違う場所に飛んでしまったりします。
本番が近くなると、お辞儀の練習や、本番と同じようにアナウンスも入れてピアノを弾く練習を何度も繰り返しました。
私も、普段のレッスンより少しだけ厳しくなります。怒ることはありませんが、悪い箇所は、はっきりと指摘します。
また、発表会の日が近付いてくると、「ステージでピアノを弾くのが怖い。」と感じる生徒さんも出てきます。
本番では、簡単な場所で間違えたり、止まってしまったり、ミスを連発してしまうことも起こります。緊張のせいです。
でも、高いハードルを一つ一つ克服しながら曲を仕上げて、不安から逃げずに本番に挑んだことは、貴重な経験です。
今回の発表会で特に嬉しかったのは、どの生徒さんの演奏からも曲の特徴や雰囲気が感じられたことです。
楽譜の棒読みのようにピアノを弾く生徒さんは、1人もいませんでした。
ピアノの音色が、その曲のイメージの音になっていて、本人らしさ(個性)もプラスされていました。
ミスがあったとしても、それぞれに素敵なピアノ演奏でした。
緊張感の中、ステージ上で音楽を表現出来たお子さんを沢山褒めて下さいね♪
コロナ禍での体調管理や心理的な励ましなど、色々大変だったことと思います。サポートありがとうございました。
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