ピアノの先生は、ホームページ制作会社からターゲットにされている。
パソコン機器に弱い人が多く、文章を書くのも苦手で、何より集客に苦労しているからだ。
そんなわけで、私の自宅にも営業の電話が沢山かかってくる。
本当は電話も非公開にしたいのだが、メールでの問い合わせが苦手な方が時々いるため、やむを得ず公開している。
営業の電話に対しては、最初の数分ではっきりと断ることが多い。
そんなある日、電話が掛かってきた。その声は、不安げな若い女性の声だ。
「私、◯◯と申しますが、ピアノに興味があって、経験は無いのですが、、。」この話し方は、問い合わせだ。
彼女は、初心者が聞くような定番の質問をする。私は、それに対して、失礼のないよう一つ一つ丁寧に答えていく。
15分くらいたった後、彼女は豹変した。
「私、実は◯◯会社の者でして、、。金額は、、、。そして、、。」
自信なさげな話し方が、いきなり流れるような営業トークに変化した。同じ人物とは思えない。私は呆気に取られた。
いきなり手のひらを返すわけにもいかなくて、説明を聞いて、結局30分くらいの時間をムダにしてしまった。
これは、オレオレ詐欺と同じだ。なぜなら、演技をしているからだ。「最近の営業の人はすごいなぁ。」と感心した。
営業の研修で、細かい指導があるのかもしれない。電話を切られないように、問い合わせをする一般人を装ったのだ。
仕事熱心なのは良いことだが、人をだますような手口を使う営業スタイルは、いかがなものかと思う。
というわけで、それ以来、私は電話受付が少し苦手になってしまった。
これから電話で問い合わせをする方、もし、私の声から警戒心を感じた場合は、こんな理由からだと勘弁して下さいね。
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