幼稚園生の Y ちゃんは、感性が豊かな生徒さんだ。
Yちゃんに、ぴあのどりーむの1巻の「かなしいこと」という曲を初めて教えた時のことだ。
初めて出てくる短調の曲なので、調性の違いは単音のシンプルなフレーズでは伝わりにくいかもしれないなぁ、と思う。
『かなしいこと』には、挿し絵が付いている。背後から描くカットは、想像力を高めてくれるように思う。※上の絵。
最初に、「絵を見てみよう。小さな男の子が座っているね。どんな悲しいことがあったんだろうね。」と声かけをする。
次にピアノを弾く。1回目は楽譜通りに弾き、2回目は和声を感じるよう連弾の音も合わせた状態で弾いてみた。
すると、立って聴いていたYちゃんは「泣きそう。」と言って悲しい表情になり、近くのママに抱き付いてしまった。
もう一度、ルルルと歌いながら弾いてみせた。またしても、目を潤ませママに抱き付いて顔を埋めてしまう。
その様子を見て、私は軽いショックを受けた。ピアノを聴いて、こんなにも全身で悲しさを感じられるなんて、、、。
指導者である私は、むしろ音楽の知識が邪魔をしてしまい、少し鈍感になってはいないだろうか?
Yちゃんのように、身体全体で音楽を素直に感じられることは、とても素晴らしいことだと思う。
「初心に帰って、どんな曲に対しても常に新鮮な気持ちで接しなければ。」と改めて考えさせられた出来事だった。
Yちゃん、これからも、色々な曲を楽しんでいこうね♪
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