なぜ、ピアノの先生は発表会で1人(ソロ)でピアノを弾かない人が多いのか?
それは、生徒として習っていた頃からの疑問だった。先生達は、終始舞台袖に待機していることが多い。
連弾やアンサンブルをする先生は見かけるものの、ソロを弾く人の割合は少ない。実は、人それぞれに様々な理由がある。
今回は、『能ある鷹は爪を隠す』ということわざを元に、ピアノの先生を色々なタイプの鷹に例えて分類してみた。
※ソロを弾いている少数派は除く。
【タイプA】体重が増えてしまった鷹
若い時は難曲を弾けたが、その後は練習不足のために指が動かなくなっている。(ただし、頭の中ではバッチリ弾けている!)
【タイプB】疲労困憊で余力が無い鷹
生徒が多かったり副業で忙しく、疲れきっている。当然、練習出来ない。空いた時間は、全て休息に当てて体調を整えている。
【タイプC】本番に弱い能ある鷹
練習の女王タイプ。1人の時は上手く弾けるが、本番で極度に緊張する上がり症のために、決して人前での演奏はしない。
【タイプD】爪が無いのを隠す鷹
そもそも、演奏能力が無く、講師演奏で弾くようなレベルの曲は弾いたことがない。弾かない先生が多いのでホッとしている。
【タイプE】教育熱心な母性の強い鷹
育児に専念して母親モード全開、または生徒さんの指導が最優先のタイプ。当然、自分の音楽は二の次になっている。
【タイプF】狩があまり好きでない鷹
自分の意志ではなく親に強制的にピアノをやらされていた経験を持つ。技術があるものの音楽への意欲や情熱が乏しい。
【タイプG】完璧主義過ぎる鷹
理想が高い批評家タイプ。自分にも厳しく常に完璧な演奏を求めるため、プログラム作成の最終段階で必ず演奏を断念する。
【解説】
上記のように、ピアノの先生がソロで弾かない理由は、人それぞれです。理由が複数重なるミックスタイプもいます。
私の経験から言うと、生徒の発表会でソロを弾くことは、決して楽ではありません。
発表会当日は、生徒さんや保護者への気配りをし、一人一人の演奏を集中して聴くために、神経と耳がとても疲れます。
しかも、最後の生徒さんの演奏を見守って、終わったあとに声かけをして、わずか数分後には弾き始める状況です。
瞬間的に指導側の気持ちを切り替えて、演奏者として自分の音楽の世界に集中することは、とても難しいことです。
つまり、発表会でソロ曲を弾くことは、心理的にも体力的にも負担が大きいと言えます。
スポーツの世界に例えると、野球の試合で監督と選手を兼ねるようなものです。
だから、もし、皆さんが習っているピアノの先生が発表会でソロを弾くなら、相当頑張っているんだと理解して下さい。
【おまけ:ピアニストの条件とは?】
もし、A~Gタイプの正反対の条件が全て揃っているならば、先生よりピアニストに向いているタイプだと言えます。
●日々の練習を怠らない。
●強靭な体力と気力がある。
●本番に強い。
●演奏能力が高い。
●自己中心的な性格。(!)
●音楽への強い情熱を持つ。
●完璧主義過ぎない。
あなたは、いくつ当てはまりますか?
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【コンサートピアニストの条件とは?】
https://www.mintpiano.net/blog/84717/
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