コロナ禍は、私達の生活を大きく変化させた。ピアノの発表会も同じで、コロナ禍前後では色々変わっている。
オンライン発表会もあるが、ここでは、リアルの発表会の現状を報告する。
●マスク着用
もちろん、会場に入る全員がマスク着用が義務付けられている。演奏者は、自分が弾く時だけマスクを外す。
●人数制限
以前は、基本的には誰でも入れたが、コロナ蔓延防止のため、1人の参加者につき4人まで。※基準は異なる場合も。
●先生は客席にいる
普段は、舞台袖で最初から最後まで待機しているが、自分の生徒さんの時のみ。それ以外は、客席で聴いている。
●集合写真は無し
発表会終了後にピアノの生徒さんが集合写真を撮るのは定番だが、密を避けるため無しに。いつもより早く帰れる。
【コロナ禍での発表会の感想は?】
明らかに、ピアノの発表会の雰囲気が違っている。ロビーの受付も、淡々と静かに列が進む。
舞台袖から客席をのぞくと、全員がマスクを付けているので、表情が全く見えない。
この場合、弾く側からすると緊張が少なくなるかもしれないが、マスクの白が目立つため、違和感がある。
良い点としては、コロナ前より演奏中の私語が減っていることだ。それぞれの家族が離れて座っているせいだろう。
また、コロナ以前と変化したのは、おじいちゃんおばあちゃんの姿が少なくなっていることだ。
以前は、少子化の影響で、1人の参加者のそれぞれの祖父母や叔母など大応援団(サポーター)が結構多かった。
「発表会のあと、みんなでご飯を食べて話が盛り上がったんですよ。」と生徒さんのお母さんが話してくれたものだ。
高齢者は感染のリスクが高いので仕方ないが、そういった家族の集まる機会ではなくなったことには、寂しさを覚える。
舞台袖でも、以前は、「緊張ちゃう!どうしよう~!」「落ち着いて。大丈夫だよ。」というやり取りが見られた。
そんな善逸タイプ(ストレスを直接表現)が必ずいたものだが、今では、小声で話し、みんな静かに出番を待っている。
演奏のあとの拍手の音も、なんだか小さい気がする。
マスク越しに静かに会話をする。このコロナ禍の習慣は、私達の自己表現をも小さくしてしまっているのかもしれない。
オリジナルの記事を載せています。当サイト内の文章、情報(内容)、写真等の無断掲載及びリライトは、ご遠慮下さい。