ほとんどのピアノの先生は、発表会に向けて、きちんと計画を立てている。
生徒さんが発表会で弾く曲は、いつものレベルよりワンランク上げるために、早めに曲を決めて準備を開始する。
ピアノの先生が発表会をする場合には、他の先生と合同で行う場合が多い。
その時に困ってしまうことは、それぞれの生徒さんの弾く曲が重なってしまうことだ。
確かに、定番曲や人気曲は重なりやすい傾向にある。
しかし、ニッチな曲を選んだにも関わらず、重なってしまうこともある。
では、誰も聴いたことの無いような変わった曲が良いかというと、それはそれで本人や保護者には不評だったりする。
結局、定番の曲に落ち着くことが多い。
プログラムの提出時期は、発表会の1ヶ月前くらいだ。校正もあるので、プログラム変更は可能だ。
ただ、その場合は、準備の時間が無いために普段のレベルの曲か、弾いたことのある曲にするしかない。
しかし、直前の曲の変更はリスキーである。失敗する確率が上がるため、メンタルが強い子にしかオススメ出来ない。
だから、曲選びは、ある意味出たとこ勝負で、重なってしまうのは仕方のないことと感じている。
もちろん、同じ曲の生徒さんがいる場合は、連続して弾かないように、プログラムの順番には配慮している。
ただ、ハッキリ言えば、先に弾く方が気持ちがラクだと言えるだろう。
もし、1人目の演奏が上手だった場合には、2人目はプレッシャーを感じてしまうからだ。
では、最初に弾く人が緊張してしまい、ボロボロの演奏になってしまったらどうなるか?
普通に考えると、その場合は、あとから弾く方が有利だと思うかもしれないが、意外とそうとも限らない。
知らない子であっても、その演奏を聴きながら、無意識に同調(共感)してしまうため、心の不安があおられてしまう。
発表会では、違う曲であってもミスが続いたりするのは、そのせいである。
生徒さん、保護者様、もし、同じ曲をあとから弾くことになってしまった場合には、こう考えて下さい。
「よりプレッシャーを感じられる貴重なチャンスだ。ラッキー!」と。
お子さんが大人になる頃、世の中の情勢は、たぶん今より厳しくなっています。
失敗を含めて色々な経験を積んでいる人が、より有利な時代になるでしょう。強いメンタルが生き抜く力に直結します。
発表会でピアノを弾くのは、個人競技の試合とよく似ています。つまり、本番力を鍛える場所と言えるのです。
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