私の教室のレッスンは、対面レッスンが基本だ。本物のピアノの感触や響きを体験して欲しいと思っているからだ。
ただ、事情がある場合やコロナ感染が心配な場合など、希望者にはオンラインレッスンもしている。
指導する側として、どちらが大変かというと、オンラインだ。対面とは違った工夫が必要で、目も耳もより疲れる。
声も、相手が聞き取れないと困るので、いつもよりハッキリ話している。(アパートだったら苦情が来るかも。)
鍵盤を上から撮ってピアノを弾いたり、画面を切り替えたり、対面とは違う神経も使う。
テレビの生中継のように、音声やピアノの音が途切れたり、画面がフリーズする時もあり、ストレスを感じる。
残念なことに、ピアノの音質は機械を通すと変化してしまい、大まかな輪郭しか持たない。
つまり、オンラインでは、ピアノの繊細なニュアンスや表現などが伝えられないのだ。
音質の悪い状態でのピアノの音を聴き続けるのは、耳的には苦行である。
しかし、コロナ禍で半年くらいお休みしていた生徒さんが再開した時、たくさん忘れてしまっていて驚いた。
だから、オンラインであっても、レッスンを続けることに大きな意義があると感じている。
レッスンの質が6割になったとしても、休んでしまう場合のように0になることは無いからだ。
余談だが、オンラインではマスク無しでレッスンする。この時に、顔を見られるのが恥ずかしい気持ちになってしまう。
この感覚は何だかおかしくないか?以前は、マスクをしないのが普通で、顔を見せるのに何の抵抗もなかったはずだ。
人間の感覚というのは、環境でこんなにも変化してしまうものだなぁ、とつくづく思う。
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