指導する立場から言うと、中級以上を目指すならピアノは難しい楽器と言えるだろう。
でも、『音出し』という始めの一歩で比較すると一番簡単な楽器かもしれない。
ネコでさえ、鍵盤の上を歩けば音が出せるのだ。赤ちゃんだって、手でバシバシと叩けば音が出る。
私は管楽器や弦楽器も少し経験があるので、始めの一歩の音出し(初心者の場合)を、それぞれの楽器で比較してみよう。
【木管楽器】
クラリネット、サックス、オーボエなど。
●木製のリードをマウスピースに装着して演奏する。
●最初は音が出にくい。
●噛み合わせが悪い人は息漏れする。
●ピッという不快な雑音も頻繁に出る。
●唇が荒れ性の人は唇の痛みも伴う。
【金管楽器】
トランペット、ホルン、ユーフォニアムなど。
●丸い金属のマウスピースで音を出す。
●最初は全く音が出ない。
●歯並びなどでも音が左右される。
●バルブ(指で調節する場所)が3ヶ所しかない。口周りの感覚で音程を調整するため、頬の筋肉がやたら疲れる。
●音をきちんと出せないため、周囲の人間からすれば、本人が何の曲を吹いているかがクイズ並みのレベルになる時も。
【弦楽器】
バイオリン、ビオラ、チェロなど。
●最初は、ギギギーという世にも不快な音がするので、聴覚的な拷問に等しい。
●右手の弓の使い方がとても難しい。
●弦を押さえる左手の指が結構痛い。
●音程がきちんと取れないため、音痴の人が歌っているような感じのメロディーになる。(かなり気持ち悪い。)
【ピアノ】
●指でポーンと鍵盤を押すだけ。
●ただし、幼児など指の力が無い場合は弱々しい小さな音になる。
●押した瞬間に正しい音程を出せて、雑音も出ない。誰にでもキレイな音が出せる。これは、奇跡かもしれない!
【結論】
このように、他の楽器では1つの音を正しい音程で鳴らすのにも時間が掛かる。最初のハードルが、やや高めである。
ピアノは、初期段階においてはストレスフリーな楽器である。
だから、ピアノは音楽の基本を学ぶのに幅広く使われるのだろう。
※その後の難しさについては、今回はノーコメント。
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