私は、YouTubeでのピアノ動画を純粋に楽しめない。つい分析して仕事モードになってしまうからだ。
練習やレッスンでピアノの音をずっと聴いているので、オフでYouTubeを見る時には、動物系やトーク系が多い。(?)
でも、近年はピアノ動画が人気らしい。ピアノを弾くYouTuberが有名になっている。
ハラミちゃん、藤井風さん、Cateenさん、よみぃさん、CANACANAさんなどは、演奏動画の再生回数がスゴい。
たぶん、一般の人達もたくさん見ているからだと思う。
他の楽器の演奏動画では、これほど再生回数が伸びることは、あまりない。
基本的には、その楽器を習っている人だけが、参考にするために演奏動画を見る、というパターンがほとんどだ。
ところで、ピアノの場合は、人前で弾くレベルになるまでには、気が遠くなるほどの時間がかかる。
例えば、ピアノを6、7年頑張って練習しても、(ほとんどの人は)プロが弾くようなテンポでは弾けず安定感にも欠ける。
管楽器などは部活でやっただけでも、ある程度さまになる。音が良ければ、専門家以外の人達には差が分かりづらい。
けれども、ピアノの場合は、経験の違いがハッキリ出てしまう。
だから、アクロバティックな指の動きなどを視覚的にも楽しめることも演奏動画が人気の理由の一つだろう。
昔は、ステージと客席に距離があった。ピアノを弾く手元も表情も、前の席でなければハッキリ見えなかった。
しかし、今は動画で手元や顔の表情も見える。ピアニストを身近に感じる。つまり、動画は心理的距離も縮めたのだ。
その上、人気YouTuberは、誰もが楽しそうにピアノを弾いている。音楽の楽しさが伝わってくる。
また、私は「ピアノの音が嫌い。」という人に出会ったことがない。
ピアノという楽器は、芸能人でいうとガッキーのような存在だ。老若男女みんなが好きでアンチが極めて少ない。
ピアノは、ドラマ、映画、CMなどでBGMとして多用されている。私達は、無意識にピアノの音に慣れ親しんでいるのだ。
ピアノを弾く人口は、全体からすれば多くない。でも、楽器の中では不動の人気があるのだなぁ、とつくづく思う。
もちろん、コロナ禍というのも再生回数を押し上げているに違いない。YouTuberは時代の流れに乗っている。
だから、コロナ禍以降は、全く違うタイプのYouTuberピアニストが新しい価値観を提供してくれるかもしれない。
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