ミュージカル俳優の山崎育三郎さんは、歌えて、踊れて、演技が出来る。
彼の歌には、言葉を伝える表現力と安定感がある。それは、音高、音大で培ったクラシック音楽の基礎も大きいと思う。
そんな彼が、思春期に挫折をした、という記事を読んだ。(Astandより)
変声期に全く歌えなくなったそうだ。上の音も下の音も鳴らずに、1オクターブの音域もなかったという。
頭の中では高音が鳴っているのに、実際には出せないという身体の状態に苦しんだそうだ。
それを読んで、息子の変声期を思い出した。とても似ているな、と思った。
息子は、小学生の時にボーイソプラノの声だった。親バカだが、当時は癒されるような澄んだ美声で難なく歌えていた。
ところが、中学に上がると全く声が出なくなった。裏返ったり音程を外したり、コントロールが出来なくなった。
歌うことが苦手になり、友人からカラオケに誘われても断り、行く場合でも全く歌わずにタンバリン担当だったらしい。
高校生になり、ようやく声が落ち着いたようだ。友人とカラオケにも行けるようになった。高得点が出たと喜んでいる。
音感もリズム感もあるから、どちらかというと上手い方だと思う。
しかし、声質は、、、。なんと、夫そっくり(低音で張りのない感じ)のオジサンの声に変化してしまったのだ。
あんな澄んだボーイソプラノを聴けば、将来は森山直太朗さんのような声になるのでは、と期待してしまうではないか。
綺麗な声を覚えているので、目茶苦茶可愛かった子犬がブサカワになってしまったような残念さが、ちょっぴり残る。
ボーイソプラノは儚い。ボーイソプラノを題材にした映画を観たことがあるが、ある日突然声が出なくなるのは残酷だ。
「神様からのギフト」と表現される声を使えるのは、ほんのわずかな期間だ。いきなり跡形もなく永遠に消えてしまう。
男の子は体型が父親に似ることが多く、成長すると男親と同じ声質になるという事を、私は完全に見落としていたのだ。
もし、息子さんがキレイなボーイソプラノで、旦那さんが素晴らしい声質を持つのなら、将来の声に期待しても大丈夫!
※男子の変声期の期間は、個人差が大きい。平均は半年から一年半くらいだそうだ。
短い子は3ヶ月程だが、長い子は落ち着くまでに4年もかかるらしい。その場合は長いトンネルのように感じるだろう。
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