寒さが本格的になってきた。この時期になると、初めてホットワインを飲んだ時のことを思い出す。
「ホットワインを作ったから、飲みにおいでよ。」と誘われて、フランス人のお宅に行った時がある。
その庭には、近所の人達が沢山集まっていて、家主が大鍋からホットワインをカップに注いで皆に渡していた。
ホットワインは、ワインにスパイスやフルーツ、砂糖などを入れて温めた、寒い時期のヨーロッパの定番の飲み物だ。
日本で言えば、甘酒のような冬の風物詩だ。クリスマスマーケットの一角で売られ、人々に楽しまれているという。
夜で屋外だったため、色は赤黒い感じに見える。香りも良くて、飲んでいる時に色々なハーブが口に当たる。
「これは何が入っているの?」隣の友人に聞くと「カマキリの足と◯◯と、、」冗談ですごい材料を挙げていた。(笑)
そのホットワインは、とにかく美味しかった。美味しいスープのように、どんどん飲みたくなるような味だっだ。
そこにいた人達は、ホットワインを飲みながら立ち話を楽しんだあと、各々の家に戻っていった。
寒い中、温かい飲み物を飲む人達の幸せそうな表情を見て、そういう役目をするのがホットワインなんだな、と感じた。
その後、彼らは自国に戻り、自家製のホットワインを飲む機会は無くなった。
毎年この時期になると、色々なメーカーのホットワインを購入して飲んでみるのだが、あの味に出合えることはない。
あの時、ちゃんと作り方のレシピを聞いたり、一緒にホットワインを作るお手伝いをすれば良かった、と後悔している。
※当時住んでいた場所が、たまたま外国人の住む社宅エリアの近くだったため、そのような交流があった。
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