私と楽譜との付き合いは長い。毎日のように使用して感じるのは、五線譜の仕組みの無駄の無さだ。
とても合理的に音符やリズムを表す仕組みになっている。見やすく、かつ数学的にも整理されているなぁと思う。
そのことにより、例えば、300年前のドイツ人のバッハの作品でさえも、楽譜があれば、日本人でも弾くことが出来る。
これが、300年前の日本の文学作品だったら、母国語でも言葉遣いが違うため、理解に時間が掛かるだろう。
まして、言語が違う場合には、文章の読解は困難になる。会話の場合でも同様で、意志疎通は不可能だ。
でも、ありがたいことに楽譜は世界共通言語だ。楽譜があれば、どんな国のどんな作曲家の音楽にも直接触れられる。
作曲家の息遣いや、その地方特有のリズムやメロディーを肌で感じることが可能になるのだ。
いわば、楽譜は、それぞれの時代や場所へ瞬時にアクセス出来る便利な『タイムマシン』であり『どこでもドア』だ。
世の中には、「楽譜が読めなくても弾ければいい。」と考える人も少なくない。
しかし、読めた方が楽しみが何倍にも増えることは間違いない。私は、それを生徒さんに伝えたいと思っている。
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