うちには、時々、ホームページ制作会社から営業の電話がかかってくる。
コロナ禍で仕事への不安を感じたピアノの先生の中には、高額のホームページを契約した人も少なくないという。
いつもは、すぐお断りして電話を切ってしまうのだが、ある日、好奇心半分で、とりあえず話を聞いてみた。
電話の声は男性だ。若い声なので、年齢は20代から30代前半と思われる。高めの声で早口だ。多分、理系タイプだ。
「うちでホームページを作ると、それを見て、お客様がたくさん来るようになるんです。プロが作るものは違います。」
「今、お得なプランがあるんです。ホームページ制作料金が、一切かからないんです。」
「えっ、無料なんですか?」
「そうなんです。管理費のみ頂いています。それも、4年目からは永年無料になるんです。」
「すごいですね。ちなみに、管理費は、おいくらですか?」
「月々3万円になります。」
毎月管理費3万円を3年間払い続けたら、総額108万円になるではないか!と心の中で思ったが、すかさず会話を続けた。
「まず、そちらのホームページを見せて下さい。あと、住所も教えて下さい。検討して、こちらから連絡します。」
と言って、会話を終了した。
さて、その会社のホームページを検索して見てみると、さすがにキレイだ。シックで洗練されている。
でも、このホームページを見て、ピアノを習いたいと思う人がいるだろうか。人間味が無く、アートっぽい雰囲気だ。
それに、皆さんも考えて欲しい。『ホームページから、お客さんがたくさん来るようになる』と謳う制作会社なのだ。
東京都心のウェブ制作会社が、地方の個人教室に対して、熱心に電話営業をする事自体が、かなり矛盾していないか?
つまり、電話営業をする=その会社が自社ホームページでの集客に成功していない、という証明に他ならないからだ。
なぜ、営業マンは、この矛盾点に気付かないのだろう?
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