テレビドラマ『2月の勝者』を見ている。中学受験をテーマにしたストーリーだ。
都内に住む私の姪も、中学受験を経験している。本人も妹夫婦も、当時は大変そうだった。
4年生の冬から塾に入ると、「準備期間ギリギリですよ。」と言われたそうだ。
そして、「中学受験は生易しいものではありません。塾以外の習い事を全て辞めて下さい。」と釘を刺されたそうだ。
「どう思う?」と妹に相談された私は、「ピアノだけは続けた方がいいよ。」とアドバイスした。
中学受験のために進学塾に通う年齢(9才~12才)は、スポーツでいう飛躍的に能力が伸びるゴールデンエイジに当たる。
ピアノの指の動きは、スポーツと同じく運動神経系なので、実は、この時期に練習することが非常に大事なのである。
この期間に全く弾かないと、受験が終わってから再開しても、指の動きという点では不利になってしまうのは明らかだ。
ということで、姪は、進学塾には内緒で、受験期もピアノだけは(ゆるく)習い続けていた。
そして、希望校にも無事合格して、高校生になっても続けている。ドビュッシーのアラベスクを弾いているそうだ。
妹曰く、あまり練習はしていないそうだが、姪がピアノを楽しんで弾いている様子なので、私は嬉しく思っている。
最近は、中学受験の進学塾に通うために、小学5年生の4月頃にピアノを辞めてしまう生徒さんが増えているらしい。
ピアノ教室全体が、優先順位で進学塾に負けてしまう、という危機感があり、それはピアノの先生達の悩み所でもある。
たしかに、両方続けることが時間的にも経済的にも負担になることは、十分理解出来る。
でも、人生をもっと長いスパンで考えて欲しいな、とも思う。ピアノを弾けるようになったら、一生楽しめるのだから。
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