映画『タイタニック』は、スケールが大きい。豪華なセットや水の迫力に度肝を抜かれる。
でも、その中で印象に残る小さなシーンがある。まさに沈もうとしている船上で、音楽家達が演奏するシーンだ。
彼らは、一度は避難しようとするが戻ってきて、大勢の客が安全に避難できるように、死を覚悟しながら音楽を奏でる。
この部分は、フィクションでなく実話だそうだ。私なら、どうするだろうか?逃げようとしてしまうかもしれない。
私は、これに少しだけ似た光景を目にしたことがある。
先輩ピアニストのライブに、友人と一緒に行った時のことだ。楽しく聴いている最中に、急に大きな地震が来た。
みんなが腰を浮かして、半分逃げる体勢になっていたのに、彼は、テンポも乱れずに平然とピアノを弾き続けた。
帰りがけに、友人と「◯◯さん、すごいね!表情も変えずに弾き続けて、本当にプロ意識が高いよね」と話した。
その後、彼とは連絡が付かなくなってしまった。でも、どこかで同じようにピアノを弾き続けているに違いない。
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