世間のイメージでは、ピアニストはキレイな服を着て、紅茶をゆっくり飲みながら、優雅にピアノを弾いているらしい。
現実は全く異なる。まず、ピアノを弾く時は全身を使うので、劇団員の練習時のような動きやすい格好だ。
また、練習で汗をかくために水やスポーツ飲料を飲むか、頭をハッキリさせるためにコーヒーを飲むことが多い。
そして、練習風景も全く優雅ではない。イメージ的にはツルの機織りだ。決して戸を開けて見てはいけない光景だ。
自分の羽をむしりとって、一枚一枚布に織り込んでいく作業は苦しい。でも、自分のイメージの反物を作り上げたい。
『ツルの恩返し』では、美しい反物を一生懸命に織っているつう(女に変身したつる)が日に日に痩せていく。
ピアノ弾きも、自分のエネルギーの全てを、理想の音楽を作り上げることに注いでいる。※つうのようには痩せない。
ドラマ『のだめカンタービレ』では、猛練習後に、のだめの頭から湯気が出て放心状態になっているが、それに近い。
自分の中のわずかな才能を無理やり引っ張り出して、自分の限界を超えようとするために、ヘトヘトでボロボロなのだ。
基本、音楽家は職人で芸術家でアスリートだ。でも、依然として周りからはステレオタイプの見方をされることが多い。
※のんびりと優雅に練習していたら、ずーっと初心者レベルですよ!(心の声)
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