ブライダルでピアノ演奏の仕事をしていた頃、友人の披露宴でのBGM全般を担当することになった。
花嫁の作文のBGMでは、アンドレ・ギャニオンの『めぐりあい』をリクエストされている。
そして、朗読が始まった。最初が『天国のお父さんへ』から始まる作文だった。
作文の内容を聴きながらメリハリを付けてピアノを弾いていたのだが、途中、涙が溢れ楽譜が見えなくなってしまった。
でも、指が音を覚えていたので、止まらずに済んだ。BGM担当として音楽が崩れないように、涙をこらえて弾いた。
演奏が終わり自分の席に戻る時に、会場のほとんどの人達が泣いていることに気付いた。
大勢の前で、素晴らしい作文を披露した友人を、とても誇らしく思った。
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