年中からピアノを始めたKちゃんは元気な女の子。初めてレッスン室に来た時から、堂々とした受け答えが出来ていた。
そして、Kちゃんの最初の発表会。初めてだから、ミスがあってもお辞儀が出来て最後まで弾けたら100点だ。
ところが、本番、思いもよらないことが起きた。
Kちゃんが、何と顔を客席に向けてピアノを弾き始めたのだ。目線の先は最前列のおじいちゃんのビデオ。
もちろん、手元を見ないブラインドタッチ。でも、音もよく響いている。そのままノーミスで最後まで弾いてしまう。
本番で更なる実力を出したことに驚いた私は「Kちゃんは、大物ですね。」とKちゃんのお母さんに声をかけた。
その後、成長したKちゃんは、生徒会や部活動でも活躍して、有名大学に進学した。
Kちゃんは、『栴檀は双葉より芳し』という言葉がピッタリ当てはまる生徒さんだ。
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