東京オリンピックが閉会した。
特に印象深かったのは、金メダルを獲得した卓球の混合ダブルスの試合だ。
スポーツ番組では、幼少期の伊藤美誠選手が、連日深夜までお母さんと卓球の練習をしていたことを伝えていた。
「卓球は、早い時期から始めて練習量が多ければ多いほど有利なスポーツなんです。」と解説者がコメントしていた。
卓球界では、母親が子どもの生活を徹底的に管理し、常識で考えられないほどの量の練習をさせることが珍しくない。
でも、子どもが卓球が好きでなければ幼児虐待に近いレベルの量だ。心身共に負担が大きいのは誰の目にも明らかだ。
これは、クラシックピアノの早期教育と非常に良く似ている。
2才からピアノを始めた友人は、幼少期に友達と遊ぶ時間も無く、毎日たくさんの練習をさせられたと言う。
ピアニストの清塚信也さんも、自身のスパルタママについて面白おかしく話をしているが、大変だったに違いない。
卓球のボールは球技の中でも最小で、わずか40mm。一方、ピアノの白鍵の幅は23mmで黒鍵の幅はわずか9.5mm。
鍵盤の中心を押さないと、音が濁ったりミスタッチになってしまう。ピアノを弾くにはミリ単位の正確さが必要なのだ。
それを、様々な力加減で弾き分ける。頼りになるのは、職人のような身体の感覚だけだ。卓球の世界も同じではないか。
よく言われることだが、その道のプロになるためには一万時間以上が必要だ、という法則がある。(一万時間ルール)
しかし、一流の卓球選手やピアニストの練習時間は、一万時間を軽く超え、二万時間から三万時間に達しているはずだ。
それほどの過酷な練習に耐えうる強い身体とメンタルを持っていること自体が、才能に恵まれているとも言えるだろう。
※今回は天声人語風で書いてみました。
●ピアノの先生の子ども時代の生活や習い事の王道とは?
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