ずっとピアノをやってきた私から見て、うらやましくて仕方がない赤ちゃんがいる。
それは、ピアニストの反田恭平さんと同じくピアニストの小林愛美さんとの間に生まれた赤ちゃんだ。
その理由の一つは、まず環境だ。
私は、両親共に音楽の経験も無く、音楽的に恵まれた環境で育っていない。
多くのピアノ専攻の人達がピアノに明け暮れていた幼少期、虫や植物を見たりといったトトロのメイみたいな生活をしていた。
一方、友人の家では、物心着いた時からクラシック音楽が常に流れていた環境だったと言う。
両親に連れられ、頻繁にクラシックコンサートにも行っていたそうだ。生活環境や体験の格差を強く感じたものだ。
我が家に流れていた音楽をあえて挙げるなら、祖母の民謡(あまり上手くない)と父親の演歌(同様にあまり上手くない)だった。
もし、『全国のピアノ教師、音楽環境に恵まれないNo.1コンテスト!』があったなら、私は上位に食い込む自信がある。(?)
さて、反田家の赤ちゃんの育つ環境はどんな感じだろうか?と、私は勝手な想像(妄想)をしてみる。
まず、家には防音室が完備された広いピアノ室があり、グランドピアノも選び抜かれた最上位の機種が置いてある。
それを奏でるママとパパの流れるような美しい音楽、またはドラマチックな音楽を日常的に目の当たりにする。
スピーカーを通しての人工の音源でなく、生ピアノの素晴らしい演奏を全身で感じることが出来る。なんという贅沢だろうか。
以前、バイオリニストの五嶋みどりさんの母、五嶋節さんの著書『天才の育て方』を読んだことがある。
家族がみんなバイオリンを弾くため、幼少期の五嶋龍さんは「人は誰でもバイオリンを弾くもの」と思い込んでいたそうだ。
同様に、反田家の赤ちゃんも、人はみんなピアノを難なく弾くのが当たり前だと認識(勘違い)するに違いない。
家には、有名なピアニストやミュージシャン達が遊びにくる。その人達に抱っこされたり遊んでもらったりするだろう。
いいなぁ(心の声)。そして、彼らの出演するコンサートに家族で出かけて、その音楽を聴くのだ。楽屋を訪ねて会話もする。
次に、うらやましく感じる点は、優れた遺伝子だ。
ピアニストは、抜きん出た音楽の才能があるのは周知の事実だが、心身共に丈夫で筋力も強く疲労回復も早い人がほとんどだ。
体力があってプレッシャーにも強いから、きついスケジュールのツアーでも毎回お客様を満足させる演奏が可能になるのだ。
まして、世界的ピアノコンクールで上位を獲得するようなピアニストは筋力や瞬発力も化け物級である。
二人の結婚は、スポーツ界で例えれば、オリンピックメダリスト同士が結婚したのと同じようなものだと思う。
ちなみに、サッカー選手メッシの赤ちゃんは、才能を期待され高額の契約を結んだと言う。(奥さんはサッカー選手ではない。)
反田家の赤ちゃんなら、両方の遺伝子を持っているので、最強に違いない。ひそかに期待している音楽業界の人もいるだろう。
一方で、そんな家に生まれたら、周りからのプレッシャーに押し潰されてしまうのでは、と心配する人もいるかもしれない。
でも、そんなことはないと思う。人並み外れた身体と鋼のメンタルを持っているのなら、どんな分野だって活躍出来るはずだ。
加えて、コツコツと毎日練習出来ること、つまり努力することが苦にならないピアニストの性格は、大きな強みになり得る。
そんなわけで、反田恭平さん家の赤ちゃんの今後の成長が非常に楽しみで目が離せないのである。
※3月14日の『徹子の部屋』で、反田恭平さんは、スタジオでシューマン作曲『トロイメライ』を弾いていた。
赤ちゃんの寝かしつけの時に、この曲を弾いているそうだ。(なんという贅沢!)
●ピアニスト反田恭平さんの本『終わりのない終止符』を読んだ感想
https://www.mintpiano.net/blog/68814/
●反田恭平さんでも本番は神頼み?
https://www.mintpiano.net/blog/49385/
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