先日、水戸市グロービスホールでの葉加瀬太郎さんのコンサートに行ってきました。
私がコンサートに行く時は、楽しみプラス勉強(自分の音楽性や表現の幅を広げたいという目的)でもあります。
バイオリン経験があるピアノ教師からの葉加瀬太郎さんのコンサートの見所ポイントを9つ紹介します。
【見所①バイオリン演奏】
もちろん、一番の見所は、葉加瀬さんのバイオリン演奏です。大きな身体が奏でる豊かで伸びやかな音が特徴です。
加えて、演奏されるほとんどの曲が、自身のオリジナルであることも、大きなポイントです。
バイオリン奏者で作曲もしている人は、パガニーニくらいしか思い付きません。実は、存在そのものがレアなのです。
【見所②光の演出】
コンサートでは、曲に合わせた様々な光の演出が繰り広げられます。
スポットライト以外に、曲の転調に合わせて色が変化したり、アクセントやフォルティシモが強い光で表現されます。
つまり、音楽と光が一体化したコラボレーションです。背景もプロジェクションマッピングで幻想的に表現されます。
まさに、コンサートのタイトル『THE SHOW TIME 』そのものです。
【見所③フリートーク】
ほとんどの器楽奏者は、人前でのトークが得意でありません。口下手な分、気持ちを楽器で表現するのです。
だから、ステージ上でフリートークが出来て、お客さんを笑わせられるというのは、明らかに特別な才能で、レアキャラです。
開口一番、「今日はね、話したくない気分なんだよね。」とネットの炎上記事をもじって、会場を沸かせていました。
【見所④テルミンの演奏】
『オルクドール~プラチナの風』という曲で、珍しい電子楽器のテルミンが生で聴けたのは、嬉しかったです。
テルミンは、人の声のような弦楽器のような、けれども宇宙生命体の交信の声のような、何とも言えない不思議な音がします。
この楽器は1ミリ動作が違うと1ミリ分だけピッチ(音の高さ)が変わるほど身体性の高い楽器だそうです。
そのせいか、何も無い空間を手で操って音楽を作っている様子は、魔法使いみたいに見えました。
ちなみに、テルミンを演奏したキーボード奏者大島俊一さんは、サックスもカッコ良く吹きこなしていました。
曲に合わせて複数の楽器を掛け持ちして演奏する能力は、今後のミュージシャンに求められることかもしれません。
【見所⑤営業トーク】
第一部の終わりに、販売促進を兼ねたグッズ紹介のコーナーがあります。
まるで、葉加瀬太郎さんが通販番組の司会者になって商品の売り込みをしているようで、何とも可笑しいのです。
しかも、満面の笑みで、いかに商品が役に立ち満足感を得られるかを流れるように完璧にプレゼンしているのです。
その効果は絶大で、休憩時間の終わり頃には、沢山の方々が購入したグッズを手に戻ってきました。
葉加瀬さんの営業トークは、音楽業界でも軍を抜いていると思います!(音楽に携わる人は営業が苦手な人が多いです。)
【見所⑥バイオリン指導】
バイオリン未経験者がステージに上がって、その場でバイオリンを習い実際に弾いてみるという企画がありました。
弓の持ち方から始まり、解放弦での2つの音の出し方を学びます。
ここでの葉加瀬さんは、優しい口調ながら厳しいことをサラッと言ったりしています。
テレビのバラエティー番組では滅多に見られない、ちょっぴり真面目で強面(?)の指導者としての顔が見所です。
教え方も、分かりやすく的確でした。
シンプルな2つの音が出せるようになると『エトピリカ』が始まり、一緒に弾いた参加者の方が羨ましかったです。
※動画配信によるバイオリンスクール『葉加瀬アカデミー』の宣伝も兼ねていました。
【見所⑦新世界】
ドヴォルザーク作曲の交響曲第九番『新世界より』第四楽章のロック調アレンジが、目茶苦茶カッコ良いです。
元々が秀逸な曲は、たとえアレンジされても魅力を失わないで輝き続けるのだなぁ、と妙に納得してしまいました。
演奏の中盤に、奏者の紹介があり、名前を紹介された人が直後に4小節程度の演奏をします。
その短いフレーズは、各奏者の楽器を使った音楽での自己紹介(自己表現)です。
即興演奏はミュージシャンの名刺のようなもので、得意な技術やジャンルや音楽性などの側面が垣間見える瞬間でした。
【見所⑧踊るコーナー】
コンサートでの『情熱大陸』はダンサブルなアレンジです。全員で扇子を振りながら踊るのが恒例です。
数え切れないほどのカラフルな扇子が会場で舞っている様子は、不思議な光景でもあり圧巻です。
次の『博士ちゃん』では、タオルを振り回したり跳んだりします。(私もヒールの靴なのにジャンプしてしまいました。)
パーティー会場(ディスコ?)のような楽しい雰囲気と非日常感が味わえます。
※四十肩や膝の痛い方は、コンサート前に体調を整えておきましょう!
【見所⑨ミュージシャンのダンス】
終盤で、ミュージシャン達が楽器から離れてステージでダンスを披露します。
ミュージシャンは、実は体幹が強く、その見た目よりも筋力や体力があるものです。
とはいえ、音楽センスとダンスのセンスは別物であることも多いです。インドアの人は柔軟性も乏しい傾向にあります。
従って、相当の時間をダンスの振り付けに費やした人もいるに違いありません。
しかも、バンドの平均年齢は59才!だそうです。
だから、私は、園児(?)を見守る保護者のように「大丈夫かな?がんばって!」とハラハラしながら観ていました。
一方で、あんな演奏が出来る人達が、ここまでやってくれるんだと、そのサービス精神にも感動しました。
バンドマン達のダンスの一生懸命さと若干のアマチュア感が、とても微笑ましかったです。
【最後に】
葉加瀬太郎さん、楽しいコンサートありがとうございました!
バイオリニストだけでなく、作曲、トーク力、指導力、営業力、演出など多岐に渡る才能に感服いたしました。
色々な楽しみ方が出来て、確かに5つ星のコンサートでした♪
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